「普通自動二輪免許 思い立ち」
思いがけずひと月くらいの暇ができたため思い立つ。
よし、免許取ろう。

地域周辺の交通機関が豊富なため必要性を感じられずいままで免許というものを持っていなかった。
18歳〜大人になったらとりあえず免許的な風潮があったりするが、当時を思い返すと

・必要性を感じない
・まとまった金はない
・バイト代などの小金はゲームなどオタク趣味につぎ込む

好きに使える金がある程度ある以外は今とあんまり変わってなかったな。


さて免許を取るだけなら原付免許がちょっと勉強すればすぐ取れるものではあるが
原付は低い制限速度やややこしい二段階右折、高速道路に乗れないなど制限が多い。
なので期間内で取得でき、その中で最大限の効力を発揮できそうな普通自動二輪免許に決める。

バイクに乗りたいんじゃなくとりあえずで免許無しから二輪免許を取ろうとする酔狂な人間がここに。
「普通自動二輪免許 第一段階」
ネットで情報収集をしたり友人に相談したりして教習所を決めてササッと入校。

■学科
2日間で規定10時間分の講義を受講完了、暇だからな。
すでに(原付以外の)免許を持っている人は経験してるから学科がまるごと免除なのかー。

二輪に仮免許はないけど段階は分かれてて前半をクリアしないと後半の学科も受けられない。
技能で手間取るとその分期間が伸びるわけか、嫌な予感。
数日後、仮免試験を合格(二輪の場合合否は問わず)。
練習問題ができる自習施設があるので繰り返して覚えればいいだけ、余裕。


■技能
・1時間目
スタンドを立てたり押し歩いたり倒れたバイクを起こしたり操作や計器の説明。
400ccバイクで200kgもある、変な所で倒れたら引っ張るのとか無理じゃん。
あとスロットルの加減が分からん、ちょっとひねっても回転数上がらないのに
さらにもうちょっとひねると一気に高回転で爆音が。


・2時間目(キャンセル待ち)
発進と停止。
エンストしまくり、転倒しまくり。

半クラッチの加減や維持ができない→エンスト
スロットルの加減ができない→急発進
ブレーキの加減が分からないので前ブレーキおもいっきり握る→バランス崩して転倒

教本で手順は確認しているがスロットル、クラッチ、ブレーキの加減具合などは
書いてないため実際に試すしか無いが両手足の同時操作もおぼつかないのでいくら注意されても改善せず。
実質初めての実技での教習項目クリアの判子はもらえなかった。
(技能は規定時間数の教習を行う&教習項目の全クリアが段階終了の条件)

体動かすことに関しては本当に向いてないなぁ
頭の思考と体の挙動が一致しない、テンパると余計に悪循環。

転倒:5〜6回


・3時間目
発進と停止。
まだまだ両手足の同時操作に手間取り、エンストや転倒。
ひとつひとつ改善箇所を教わって多少マシになったが今回も教習項目の判子はもらえなかった。

また今回から自前のヘルメットを用意した。
教習所に貸しヘルメットがあるが他の人の汗まみれだしサイズが合わず
あご紐がしっかり閉まらないので危険。
最初ホームセンターで適当に選ぼうとしたが品揃えのしょぼさに不安になったので
ネットで初心者用のお手頃なヘルメットを調べてバイク用品店でサイズ合わせもして購入、1万数千円。

転倒:4回


・4時間目
発進と停止。
前回までの指摘は咀嚼して改善していっているので今回ついに発進の教習項目の判子をもらえた。
停止はまだ転倒したりするのでおあずけ。

そしてバイクの引き起こしをしまくって腰を痛める。
実はいままで腕力と上半身だけでバイクを起こしていた!!
腰にビキッっといういう痛みがしてから、重心を傾けたり歩くたびにビキビキという痛みが走る。
あかん、これは病院へ行かねば……。
予約が取れなかったり土日をはさんでいたのでしっかり休養。

転倒:2回


・5時間目
教習が終わる度に操作手順をメモ書きしていっているが細かい操作やタイミングも加わり毎回変化する。
もしかして教本って意味ない?
わかってる人間が一切ミスしない前提の説明なので失敗したらどうなるか、
失敗しそうな時のリカバリー方法が一切書いてないので自分みたいに失敗しながら覚えるタイプには
効果が無いのでは。

停止に関しては特に問題なく判子はもらえた。
次の課題の判子はもらえなかったが初の転倒ゼロ、徐々に操作に慣れてくる。

転倒:0回


・6時間目
いままでもちょこちょこやっていたがここらへんから本格的にコースを周る。

一本橋→発進停止がグダグダな時でもなぜか落ちずに時間かけて渡れる
スラローム→速度は出ないがバイクの傾けやパイロンに当たらない走り方はできる
S字カーブ→1速や2速半クラッチでゆっくり進むだけ
クランク→曲がるときに半クラッチとしっかりハンドルを切る

今回初めて(初回以外の)実施項目について一発で判子をもらえる。

転倒:2回


・7時間目
今回はシミュレーター。
実機と違うのでスロットルの加減が分からなかったり、走行時の風圧がないので
スピート感がさっぱり分からない。
シミュレーター教習は失敗することも勉強なのでよっぽどふざけない限り判子はもらえる。

この日の教習が終わった後、整形外科へ。
レントゲンを取った所、骨や軟骨に異常はなく肉離れ的な筋肉の痛みとのこと。
炎症を抑える薬と湿布を処方してもらう。


・8時間目
MT車じゃなくATのビッグスクーターでの体験走行。
一本橋で前輪が落ちた後引っかかってズッコケる。
手をついたまま多少引きづられて軍手が真っ黒に、軍手がなかったら手のひらが
ズタズタになっていたであろう。
AT車は前の地面が見えないので一本橋の課題が無理ゲー。
実際、検定ではミスったら即失格レベルの細かいアクセルやバランス操作が必要なので
AT限定の方が高難易度。

転倒:1回


・9時間目
コース課題、坂道発進の練習と直進で40km/hの加速。
坂道発進はネットである程度調べたので初めての割りにはうまくいったかも、半分くらい失敗してるけど。
加速はまだヘッピリ腰でスロットルが弱い、次回は思いっきりひねってやる。

最短ではこの時間で第一段階の技能が修了だが教習項目の判子が全然埋まってない……。

転倒:0回


・10時間目(キャンセル待ち)
コース課題。
今回使ったバイクのギアチェンジがギクシャクして加速がうまく行かなかった。
その他テンパッて安全確認などを怠り指導員に何度も怒られ呆れられる。
判子なし。

後で思い出すと教習前に腰の痛み止めの薬を飲んだことがまずかったかも。
眠気やぼーっとするので運転前は控えるように書かれていたので注意力散漫具合はそれのせいか。
あとここでようやく腰に全く負担をかけないバイクの起こ方を教わって習得、遅いよっ!!

 ・バイクを掴み、ふんばる脚をバイクからおもいっきり離す
 ・顔を正面に向け、その正面方向に押す形で力を入れる
 (顔が下を向いてるとダメ、足の力で引き起こし、腰に一切負荷がかからない)

転倒:2回


・11時間目
コース課題、前回の失態を反省し教習。
今回のバイクはギアチェンジがスムーズで加速は問題なし。
低速からの停止時に前ブレーキを使ってしまいたまに転倒。
低速時は後輪ブレーキだけでいいらしい、教本では停止時に前後同時に使うとしか書いてない、
教本の嘘つき。

転倒:2回


・12時間目
コース課題。
他の教習生が自分より課題が進んでいない段階だったためコース課題走行を命じられほぼ放置。
淡々と課題をこなしていくうちにこの時間から明確に意識の変化が現れる。

バイクの操作に意識を向けずに体が動くようになっていた。

意識に余裕があるので周囲の状況も把握できて安定度も増した。

一本橋
ニーグリップを強く意識、橋に乗り上げるまでアクセルを入れて乗ってからはアイドリング走行
速すぎたら後輪ブレーキで調整、上半身に力を入れずハンドルを小刻みに動かして直進を維持

スラローム
顔は正面を向きつつ車体を傾ける
カーブのパイロンを超えたら一瞬アクセルを入れると車体が真っ直ぐになろうとするので
そのついでに車体を反対側に傾け次のカーブに備える

S字、クランク
直角度への進入時は(1速でも2速でも)半クラッチ、ニーグリップを強く意識
曲がりたい方向に顔を向けたり身体だけやや傾け、車体は傾けずにハンドルを切る

坂道発進
アクセル(3000回転以上)を入れてからクラッチを離していくと回転数がちょっと落ちる
(半クラッチ状態)
その状態を維持したまま後輪ブレーキをゆるめアクセルを更に入れる


教習終了後、残りの教習項目の判子全部と第一段階のみきわめをもらい、次回から第ニ段階へ。
放置中も周りか後ろで見ていた模様、3時間もオーバーしているのでお情けもある。
まぁもらえるものはありがたく貰おう。

転倒:0回
「普通自動二輪免許 第ニ段階」
■学科
一部学科項目が予約制だったりするので1週間かけて埋める。
ただ1つだけ技能とセットで行う学科があり、その技能もみきわめ直前のため待ちぼうけ。
その間自習しまくって問題対策はバッチリに仕上げる。

学科が全部埋まった日に速攻試験に挑む(合格必須)。
余裕の合格だが満点は取れなかった。
見直ししても正解と思い込んでいるから基本効果なかったりするんだよな。


ところで教習所の入校時に性格診断テストをやって、第二段階の学科で使ったりしたのだが
その時に驚愕の事実を知ることになる。

指導員「うちの教習所では指導員にも性格診断を受けてさせてて、
    相性の悪い指導員とは技能教習で極力当たらないようになっています」


え、ということは突発的に教習を受けるキャンセル待ちでは相性の悪い指導員に当たるのでは……

第一段階技能 2時間目(キャンセル待ち)
第一段階技能 10時間目(キャンセル待ち)

どっちも判子貰えてないじゃんっ!!


当時のヘタレ成分が原因であることは認めるにせよ経験としてこの話はは信じざるをえない。
この教習所で、キャンセル待ちを利用するときは相性の悪い指導員に当たって
判子がもらえない可能性を考慮すべし。
技術に自身があるときや規定時間を埋める目的で利用すべし。


■技能
・1時間目
シミュレーター、市街地での安全走行など。
噂に聞いているトラップは無し。


・2時間目
第二段階は検定用のコースの走行。
特に問題なく項目分の判子をゲット。


・3時間目
検定用のコースの走行。
特に問題なく項目分の判子をゲット。


・4時間目
シミュレーター、加速してカーブを曲がって事故るまでエンドレス。
峠とかでの事故の殆どは減速しないで対向車線にはみ出て正面衝突か
ガードレールに突っ込んだり外側に吹っ飛んだりだってね。
スピードを出す=制御が困難になり危険、と常々認識しているチキンなのでその感覚は理解できない。


・5時間目
40km/hから一定ラインに侵入し、そこからブレーキをかけ始めて停止線までに止まる急制動。
第一段階で急ブレーキでさんざん転倒してきたのでタイヤが滑ったり転んだりすることはなかった。
逆に前輪ブレーキが弱くて停止線を超えてしまったり。


・6時間目
急制動、元々2時間分教習して習得するものらしい。
2日目なので加速とブレーキの感覚を掴んで判子ゲット。


・7時間目(キャンセル待ち)
検定用のコースの走行。
他の教習生と進行度が違ったためほぼ放置。


・8時間目
シミュレーター。
ドキッ、危険運転だらけの市街地走行。
罠だらけな上にスピード感がないのでヘロヘロ運転。
周りの標識もあんま見れてなかったな、路上怖すぎ。


・9時間目
検定用のコースの走行。
スラロームを規定タイムでクリアしたことがないので走り方を色々試すがギクシャク。
一本橋も基本問題ないのだが10回に1回くらいは落ちてしまいうっかりが怖い。


・10時間目(キャンセル待ち)
検定用のコースの走行。
他の教習生と進行度が違ったためほぼ放置。
スラロームで走り方の試し中にパイロンに接触して転倒、第二段階で初の転倒。
放置中だったので多分見られてない、良し。

後半はみきわめのための後ろで見られながらの走行。
問題なく終了し、第二段階はストレートでみきわめをもらう。
第一段階のダメダメ具合が嘘のようだ。
「普通自動二輪免許 卒業検定〜本試験」
■卒業検定
この検定をクリアすれば卒業、免許申請時の実技試験が免除される。
検定は失敗したら一発で失格になるポイントが多々有り緊張する。
しかし緊張で固くなっては操作に支障をきたすのでいままでやってきた練習のつもりで心を落ち着かせる。
そして検定開始。

検定員「そこで止まりなさい!!」

検定中、課題のある箇所は前の人がいなくなるまで一時停止しないといけないのだが
練習のつもり過ぎてそのまま進もうとした……。
しかも場所はクランクコース、コース侵入前だがクランク進行中の停止は一発中止だし微妙、
急停止で1回右足着いちゃったし。

一本橋→7秒以上は余裕
スラローム→8秒以内は無理、パイロン接触で一発中止なので減点覚悟の安全運転
S字→問題なし
クランク→問題なし
直線で40km/hの加速→問題なし
その他交通法規に則った走行→問題なし
急制動→いつもより停止線の手前で停止、速度足りてない?

急制動で速度が足りてない場合は1回だけやり直しができるが何も言われなかったため逆に困惑。
クランクコースで既に失格になってるから何も言われてないのか?!
検定終了後、結果発表までは不合格になったものとして余計な期待をせずに逆方向で心を落ち着かせる。


そして結果発表……

検定員「普通二輪の人は全員合格ね」

嬉しさは一切無く普通に驚いた、マイナス幅からプラスになったがプラマイゼロな感じ。
減点内容はスラロームの時間オーバーと急制動で後輪ブレーキが強くてタイヤがロックしたこと。
クランク侵入前の停止命令は不問(お情け?)、右足も1回目は猶予で2回目やるまでは減点しない方式か。
後輪ロックは教習してて初めてかも、やっぱ緊張してたんだな。

そんなんで卒業証明書をもらっで教習所を無事に卒業。


■本試験
技能試験は免除だが学科試験はまた受けなきゃならない。
教習所で自習した内容と同じだから余裕っしょ。

合格者発表(電光掲示板に受験番号が表示)

まぁ当然の合格なわけだが不合格になった人が結構いる……。
あれ、教室の1/4〜1/3が不合格?
女の人や見るからにDQNや隣のチャラそうな若者などぞろぞろと。
ちゃんと勉強しろよ、6〜7割はあからさまなボーナス問題で
引っ掛けで詳細を覚える必要のある3割ほどを注意すりゃいいのに。

その後説明を受けたり写真をとったり作成に30分くらい待ったりして無事交付。


■まとめ
期間は1ヶ月と数日でセーフ、検定失敗してたらあと1回再検定が間に合うかどうかだった。
学科の進行はどうでもよくて技能教習の予約の入れ具合に期間が左右される感じ。
うまい具合にやりたいときにキャンセル待ちで乗れたりしたが学生が休暇に入ったらこうも行かないだろう。

モノの教え方、教わり方も勉強になった。
成功例しか書かない、失敗箇所を注意するだけのやり方は自分には合わない。
失敗を覚えて、その上で回避方法や成功への道筋を理解納得できるようなやり方だったら
もっとスムーズに覚えられただろう。
(自分も第二段階では失敗してないので参考になるようなことが書けてない)


■最後
無事免許をとって、当分ペーパードライバーのつもりだが
もしバイクに乗るなら125ccくらいのAT車だろうな。
MTで取っておいて何だけど……

マニュアル操作がめんどいっ!!

ギア、クラッチ、ブレーキ、スロットルをとっさの時に全部操作できそうもないし
市街地では信号ばかりで3〜4速以上使わなそうだしすぐ停止とかで1速にしないといけないし
何より機械は人が楽をするためのものと思っているのでMT車の人間の技術介入に疑問を持っていたり。